サイコンマウンタを3DプリンタでMYOGした話

はじめに

この記事はロードバイク Advent Calendar 2022、16日目の記事です。

サイコンマウンタを3DプリンタでMYOGした話です。 MYOGとはMake Your Own Gearの略で、要するに「なければ作れば良いじゃない」というノリで作られた自作アウトドアギアやその営みを意味するみたいです。

作ったもの

今回紹介する作ったものは、今まではハンドルバーに設置していたサイコンを見やすい場所に移動するためのマウンタたちです。

オルトリーブ アルティメイト用サイコンマウンタ

サイコンをオルトリーブのアルティメイト6の天面に設置するためのマウンタです。 オルトリーブのアクセサリーにあるセーフイット取付パーツを流用、 Garmin Edgeとの接続にはレックマウント社の補修用ベースプレート(ソケット)を使っています。 アルティメイト6の天面に穴を開けてベースプレートを直接ネジ止めするワイルドな方法でも同じことが実現可能ですが、穴を開ける覚悟が足りず自作しました。

見やすい場所に移動できたのはもちろんですが、今まであった、駐輪時のサイコン脱着の手間をバッグの脱着に統合できたのが地味ですが嬉しい恩恵でした。フロントライトもバッグの底面か側面にぶら下げてしまいたい欲が湧きます。もうRoute WerksのTHE HANDLEBAR BAGのそれです。

KLICKfix用サイコンマウンタ

KLICKfixアタッチメント用サイコンマウンタです。アイデアはまたしてもRoute WerksのOUT FRONT MOUNTのそれと同じです。

シンプル故に期待通りの使い勝手で、半年ほど不満なく常用しています。

ダボ穴バージョン

マウンタ下部にダボ穴を開けたバージョンも作ってみました。 ボトルケージをつければツールボトルやレインウェア、Bow Tie Strap Anchorsならストラップを使ってスタッフバッグなどをマウントできて便利なのでは?という目論見でした。

ダボ穴用エクステンションバー

ダボ穴に合わせて、ライトやハンドルバーバッグをぶら下げられるようエクステンションバーを作ってみました。

コックピット全景は期待通りの仕上がりです。

こちらは耐荷重が未知数なので常用に至っていないですが、ウィンドブレーカーや補給食、貴重品などの軽いものを入れて舗装路を走るのであれば問題無さそうな雰囲気です。 命綱を通せるよう穴を用意しているので、これから実走で検証する予定です。

ちなみに、シンプルにKLICKfix用エクステンションバーのみを作った方が汎用性が高くないか?という疑念がありそれらしいものを試作しましたが、コックピットの見映えが良くないのでボツになりました。乗車中は常に視界の端に入るので、見た目はとても重要です。

3Dプリンタ

Kingroon社のKP3Sを2万円強で購入しました。

CADソフトで設計したパーツを出力するために3Dプリンタを自分で所有する必要はなく、DMM.makeなどの3Dプリントサービスや最寄りの工房を利用する手もあります。 しかし自分のような趣味人は現物合わせで設計の修正と出力を繰り返すため、3Dプリンタが手元にある方が捗ります。

KP3Sのような所謂格安3Dプリンタで綺麗に出力するためには調整が必要で、価格に反してハードルが高い傾向があります。 しかし安価なために購入者が多く、インターネット上を探せば先人の知恵が数多く転がっています。それを参考に自力で何とかする気合があればおすすめです。

フィラメント

フィラメントとはリールに巻いてある糸状の3Dプリンティングの原料で、3Dプリンタはこれを溶かしながらニュルニュルと積層していきます。全自動グルーガン、あるいはプラスチック巻き糞です。

www.poly-maker.jp

フィラメントはPolymaker社のPolyLite ASAを使っています。直射日光に晒されるのに加え、多少なりとも力が加わるパーツなので、ASA素材の紫外線耐性を期待して選択しました。 3Dプリンティングの代表的な素材であるPLAやPETGなどと比べて高価な上に、印刷が難しく失敗することもあるのでコストパフォーマンスは良くないです。紫外線耐性など気にせず安いフィラメントで何個か出力して、一定期間で使い捨てする運用の方がコスパは良いかもしれません。

さいごに

企業が販売するにはニッチで採算がとれないようなワンオフなパーツを自分で作る、こういったケースで3Dプリンタはとても有用です。 皆さんも是非MYOGに手を出してみて下さい。こっちの沼も深いです。

せっかくなので、今回作ったマウンタを使いたい方に頒布できるようにしたいと思っています。 使っているサイコンがEdgeシリーズの中で一番軽くて小さい130 Plusなため、Edge 1040などをマウントできるか、使用感がどのようなものか等全くわからないことが多いです。人柱試していただける方を募集中なので、是非お声がけください。